お酒は20歳になってから
皆さまこんばんは。
さけ袋のお時間です!
本日は昔から販売されていますが、飲んだことがなく隠れがちなこちら。
『ブラックニッカスペシャル』
『クリア』『リッチブレンド』『ディープブレンド』と同じくブラックニッカの定番ラインナップの1つです。
公式サイトではスペシャルのみ、なぜか紹介ページがありません。。
ブラックニッカスペシャル
飲み進める前にブラックニッカスペシャルについて簡単に探ってみましょう!
ニッカウヰスキーは1956年に『日本の洋酒界を代表するブランドにしたい』という想いを込めて初代『ブラックニッカ』を発売しました。
1943年に日本ではウイスキーに『級別制度』というものが導入されました。
級別制度?
市販のウイスキーに『特級』『1級』『2級』などの等級をつけて、それに応じて税金を徴収する日本独自のシステムです。
アルコール度数と3年以上熟成されたモルト原酒の混和率で等級分けされていました。
当時はアルコール度数が43度以上でモルト原酒が30%以上であれば『1級』だったので、ウイスキー以外のアルコールや水などを加えて、着色など添加物を使っても『1級』として謳えました。
その後、1953年に酒税法が改正され、『1級』を『特級』、『2級』を『1級』、『3級』を『2級』に変更することになりました。
そして、1962年には雑酒扱いだったウイスキーが独立することになり、モルト原酒混和率も変更され、『特級』が20%以上、『1級』が10%以上、『2級』が10%未満になりました。
ちなみに当時、市場に出回っていたのは安くて酔える3級ウイスキーばかりだったそうです!
そんな中、初代『ブラックニッカ』発売から9年後の1965年に新『ブラックニッカ』が発売されました。
このラベルは今のスペシャルとそっくりですね!
竹鶴政孝はあえて『特級』ではなく、『1級』として価格を抑えながら1級ウイスキーの上限までモルト原酒を加え、『よいウイスキーをよりリーズナブルに』という信念を貫いたそうです。
新ブラックニッカのキャッチコピーは『特級をも凌ぐ1級』です!
そして1985年にニッカウヰスキーが日本国内に所有している蒸溜所の『余市』『宮城峡』『カフェグレーン』の原酒をブレンドしたブラックニッカの完成形として、『ブラックニッカスペシャル』を発売しました。
当時の1級ウイスキーのアルコール度数は40度以上42度以下だったので、『ブラックニッカスペシャル』は上限の42度になっており、現在もその度数のままです。
『級別制度』はそれぞれの比率が段階的に引き上げられましたが、1989年に廃止されました。
その後も、『ブラックニッカスペシャル』は『ひげのウイスキー』として長年親しまれてきました。
ヒゲのおじさん
『ブラックニッカ』といえばラベルに描かれている『ヒゲのおじさん』が思い浮かぶと思います。
ニッカウヰスキーのマスコットキャラクターとして有名ですね!
これは誰なの?
竹鶴政孝のウイスキー作りの哲学のひとつ『ブレンドの大切さ』を象徴するためにつくられたキャラクターです。
最初にボトルに登場したのは1959年のようです!
『ヒゲのおじさん』のモデルは諸説ありますが、デザインを担当したのはグラフィックデザイナーの『大高重治(おおたか しげじ)』です。
『ヒゲのおじさん』の他にもふりかけで有名な『のりたま』の初代デザインもされています。
『ヒゲのおじさん』はいくつもの香りを嗅ぎ分けるウイスキーのブレンドの名人で、19世紀に『ブレンドの王様』と呼ばれたイギリス人の『W・P・ローリー』がモデルといわれています。
確かに似てる!
当時の竹鶴政孝も同じようにヒゲを生やしていたので、『このキャラクターのモデルはあなたですか』とよく尋ねられたようです。
たしかに間違えられそうですね。笑
竹鶴政孝は『わしは自分の顔をラベルに使うほど厚かましくないぞ。このヒゲの男は目が青いじゃないか』と笑って答えていたそうです。
『ヒゲのおじさん』は浸透しすぎて考えたことがありませんでしたが、しっかりとモデルがいたようです。
ちなみに、現在のブラックニッカスペシャルは海外の原酒もブレンドされているので、日本洋酒酒造組合が定める『ジャパニーズウイスキーの定義』には当てはまりません。
では実際に飲んでいきましょう!
テイスティング
今回はストレートとハイボールでテイスティングしました。
【ブラックニッカスペシャル】
《度数》42%
《原材料》モルト・グレーン
色味は少し薄い琥珀色です。
まずはストレートから。
・香り
甘いはちみつの香りが強く、ほんのり華やかなニュアンスとスモーキーさも感じられました。
アルコール感は弱く、甘い香りが軸でした。
・味わい
はちみつの甘さが強く、余韻で少し渋みとスモーキーさも感じました。
かなり薄く感じる程度ですので、スモーキーなウイスキーが苦手な方でも気にならないと思います。
アルコール感は香り同様に弱く、ストレートでも飲みやすかったです。
お次はハイボールです。
・香り
香りはかなり薄いですが、ほんのりはちみつの甘い香りがしました。
・味わい
飲み口はすっきり軽やかで飲みやすく、はちみつの甘さとフルーティーな要素もバランスよく感じました。
余韻はストレートより強くスモーキーさを感じましたが、これもほんのり感じる程度でした。
まとめ
ブラックニッカの定番ラインナップで唯一飲んでこなかったブラックニッカスペシャルですが、非常に飲みやすく美味しかったです。
印象としては『ブラックニッカクリア』よりも甘さとスモーキーな個性がありましたが、それほど強くなくバランスの良い味わいでした。
食中酒としてもおすすめ!
『ブラックニッカクリア』ではちょっと薄いなと感じる方や『サントリー角瓶』に飽きた方は同価格帯なので試してみる価値ありだと思います。
個人的にはブラックニッカの中で上位で何気なく飲む常備酒としてスタメン入りな味わいでした。
この価格帯ではかなり美味しい方かなと思いました!
なぜニッカはもっと推さないのか。
では最後に今回の『ちょっと人に話したくなるポイント』です。
- ウイスキーには『級別制度』があった
- 『ヒゲのおじさん』のモデルはイギリス人の『W・P・ローリー』
- ブラックニッカの完成形として、『ブラックニッカスペシャル』を発売
皆さまも是非一度、試してみてはいかがでしょうか?
では。
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