さけ袋のブログ

ちょっと人に話したくなるお酒の知識

アイリッシュの定番【ジェムソン】

お酒に関する内容を含んでいます。
お酒は20歳になってから

 

皆さまこんばんは。


さけ袋のお時間です!

 

本日は買いやすくてコスパの高いこちら。

 

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『ジェムソン スタンダード』

 

アイリッシュウイスキーと言えば『ジェムソン』という方も多いと思います。

 

 

最近は350mlのハーフボトルもあり、コンビニでも見かけますね!

 

 

 

ジェムソン

 

飲み進める前にジェムソンについて簡単に探ってみましょう!


創立者はスコットランド人のジョン・ジェムソンです。

 

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『ジェムソン』という名前も創設者の名前から取られています。


ジョン・ジェムソンはスコットランドで弁護士をしており、『キャメロンブリッジ蒸溜所』を創設したジョン・ヘイグの娘のマーガレット・ヘイグと結婚しました。

 

ジョン・ヘイグが創設した『キャメロンブリッジ蒸溜所』はグレーンウイスキーを最初に製造したと言われています。


そして妻のマーガレット・ヘイグの従兄弟にあたるロバート・スタインは世界で初となる連続式蒸溜機の原型を開発しました。

 

ウイスキー界のすごい一族と結婚したんですね!


結婚を機にアイルランドの首都であるダブリンに移り、スタイン家が経営していた『ボウ・ストリート蒸溜所』の経営に携わります

 

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そこからジョン・ジェムソンのウイスキー作りがスタートします!

 

アイリッシュウイスキーの悲劇


1810年に現在の『アイリッシュ・ディスティラリーズ社』の母体となる『ジョン・ジェムソン・アンド・サン・アイリッシュ・ウイスキー』が設立されました。


年間生産量は3万ガロンでしたが、19世紀までに年間100万ガロンを誇る世界でも最大手の会社へと成長しました。


『ボウ・ストリート蒸溜所』が建てられたダブリンはウイスキー産業が盛んな都市で、当時ラム酒についで、世界でもっとも愛好される蒸溜酒だったことが追い風になりました。


18〜19世紀にかけてアイルランドには認可を受けた蒸溜所の数が2千を超えており、未認可の蒸溜所は数え切れないほどあったそうです。

 

その当時、ジェムソンの生産量は世界一でした!

 


しかし!!

 


その後、様々な歴史的な出来事によってジェムソン社は一時、事業の後退を余儀なくされることになりました。

 

まずは『アイルランドの禁酒運動』により、国内での打撃を受けました。

 

そして、『アイルランド独立戦争』とそれに続いた英国との貿易戦争で、英国はジェムソン社のウイスキーの輸出を禁止しました。


そのすぐ後に『アメリカ合衆国の禁酒法施行』でアメリカへの輸出が許されず、自国だけではなく、イギリス、アメリカへの輸出が長きに渡り禁止されました。

 

まさに逆風。。

 

19世紀の半ばにはスコットランドが連続式蒸留器を採用したことによりウイスキーの大量生産が可能となりました。


しかし、アイルランドは従来通りの単式蒸溜器によるウイスキー作りを行っていたため、スコットランドに差をつけられていきました。

 

長いブランクの間に競合はどんどん成長していきました。


ちなみに連続式蒸溜器の原型を開発したのは『ロバート・スタイン』ですが、実際に特許を取ったのはアイルランド人の『イーニアス・コフィ』です。


自国で開発された新しい技術を導入せず、昔ながらの作り方を貫いたことがスコットランドとの差を生んでしまったのです。


そうしたことからアイルランドに数多くあった蒸溜所も数軒に減ってしまいました。

 

1966年に残っている数軒の蒸溜所が合併して『アイリッシュ・ディスティラーズ・グループ』を設立します。

 

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蒸溜所も集約し、『ミドルトン蒸留所』を新設して生産を開始しました。


生産能力も向上し、現在世界でもトップクラスの売り上げを誇る蒸溜所へとなりました。

 

ジェムソンの製法


ジェムソンはアイリッシュウイスキー特有の製法である『ポットスチルウイスキー』と『グレーンウイスキー』をブレンドしてつくられています。


ウイスキー作りに使われる原料は全て蒸溜所の半径50マイル以内の地域から調達されており、大麦はノンピートの物を使用しています。

 

ノンピート?

 

俗にいうスモーキーではないやつです!


特徴は使用している『ポットスチルウイスキー』、『グレーンウイスキー』ともに3回蒸溜する伝統的なアイリッシュウイスキーの製法です。

 

これにより2回蒸溜しても残っている不純物をさらに取り除くことで、洗練されたウイスキーになり、よりなめらかで穏やかな味わいになります。


その後、アメリカンオークのバーボン樽や、シェリー樽で3年以上熟成を行いボトリングされます。


ちなみに今回ご紹介する『ジェムソン スタンダード』年数表記がされていませんが、3年は熟成されています。


それはアイリッシュウイスキーの法定義に、『アイルランド共和国、または北アイルランドの倉庫で3年以上木樽で熟成させていること』とあるので3年熟成させないとアイリッシュウイスキーとは名乗れないからです。


アイリッシュウイスキーの法定議についてはこちら

 

長くなりましたが実際に飲んでいきましょう!

 

 

 

テイスティング

 

僕が購入したのはハイボール用のトールグラスが2個ついていましたので、今回はストレートハイボールでテイスティングしました。

 

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Details

【ジェムソン スタンダード】

《度数》40%
《原材料》グレーン・モルト

 

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色味は琥珀色に若干シェリー樽らしい赤っぽい色味がついています。


ボトルがグリーンで色味を見たことがなかったので、思ってたよりも濃いなという印象です。

 

まずはストレートから。

 

・香り


レーズンのようなフルーティーな香りと花のようなフローラル感を感じました。


焼き菓子のような甘さと香ばしいナッツのニュアンスもありました。

 

・味わい


フルーツのような甘さがはじめに来て、余韻でナッツを思わせる香ばしさを感じました。


余韻の長さはそれほどありませんが、アルコール感もそこまで強くなく滑らかでストレートでも飲みやすかったです。


お次はハイボールです。

 

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・香り


ソーダで割っているのでフルーツ香と甘い香りは薄れましたが、ストレートよりも白い花のニュアンスは強く感じました。

 

・味わい

 

すっきりした飲み口で、甘すぎず少しドライな味わいでした。

 

ほのかにクリーミーな甘さと、余韻でレーズンの渋みを感じましたが、全体的に癖がなく飲みやすかったです。

 

 

まとめ


まさにスムースといった感じで、個性が凄くあるというわけではないので食中酒でも楽しめると思います。


公式ではハイボールを推奨しており、価格帯的にも『ストレートでは少し飲みにくいのかな?』と思いましたが、バランス感が良くストレートでも楽しめました!

 

全体のバランスが良いので飲み方も幅広くコスパも高い!

 

角ハイボールやブラックニッカのハイボールに飽きてきたけど、次に何を選んだら良いのか分からない方に試して欲しい1本です。

 

では最後に今回の『ちょっと人に話したくなるポイント』です。

 

ちょい話 POINT
  • 創設者の『ジョン・ジェムソン』は弁護士をしていた
  • 19世紀までに年間100万ガロンを誇る世界でも最大手の会社へと成長
  • 原料は全て蒸溜所の半径50マイル以内から調達されている


皆さんも是非、一度試してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

では。

 

 

 

 


 

 
 

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